方程式を利用して,応用問題を解くには,次のような手順で進めるのが普通である。
@ 文字を選ぶ
・・・求めるものを(変数)xとおくのが普通である。しかし,求めるもの以外のものをxとおくと簡単になることもある。
(文字の一般的な例の一部)
変数・・・x,y,z,k,t… 定数・・・a,b,c,d…
自然数・・・n 半径・・・r 高さ・・・h 面積・・・S 体積・・・V
直線・・・ 中心・・・O 円・・・O,P,Q 角度・・・θ,α,β…
関数・・・f,g 関数の傾き・・・a,p 一次関数の切片・・・b,q etc…
←文字を選ぶポイントは,方程式を作りやすくすることです。
←また,解答で文字を使う場合は,その文字の定義が必要です。
A 方程式を作る
・・・文字変数xを使って,次の要領で,問題の示す関係を方程式で表す。
[1]数量を取り出す
問題の中に含まれている数量を取り出す(見つける)。
[2]数量間の関係をつかむ
[1]の数量の間の関係を調べ,等しい関係にある2つの数量や,1つの数量を2通りに表すことができるなどを見つけて,等式を作る。
←方程式を作ることを,「方程式を立てる」とも言います。
B 方程式を解く
・・・作った方程式を解いて,解を求める。
※ 計算間違いしないように慎重に!!!
C 問題に適するか(解の検討)
・・・方程式の解であっても,その問題に適さないことがあるから,問題に適するかどうか確かめる。
←求める以外のものをxとおいた場合には,当然,xの解が設問の答えとはなりません。注意しよう。
それでは,上記の手順を実際にはどう使っていくのか次の例題で確認しよう。
<例題>
7,8,9などを連続した3整数という。連続した3整数の和が48のとき,これらの数を求めなさい。
(考え方)
[1]まず,数量を取り出す
・・・連続した3整数,その和が48
[2]よって,数量の間の関係は
・・・(連続した3整数の和)=48
そして,方程式を立てる。そこで,何を文字とするのか?
△最小の整数をx → 連続する3整数は x,x+1,x+2
◎中央の整数をx → x−1,x,x+1
△最大の整数をx → x−2,x−1,x
普通,中央の整数を文字で置くと,計算が楽で,都合がよい場合が多い。
(解答)
@ 連続する3整数の中央の数をxとすると
A (x−1)+x+(x+1)=48
B 整理すると 3x=48
よって x=16
C ゆえに,連続する3整数は 15,16,17となり
問題に適する。
答;15,16,17
☆方程式文章題の解法への指針
1 等式の作り方 等しいものを見つけて=結べばよい!後は,方程式を解くだけ!!
←@等しい関係にある2つの数量を探す。
A1つの数量について,2通りの式に表し,その2つを等式で結ぶ。
2 式を作るときは必ず単位をそろえる!!
3 整数の問題
2桁の整数は10a+b 3桁の整数は100a+10b+cで表される。
(但し,a,b,cは整数であり,0a9,0b9,0c9)
4 速度の問題
(距離)=(速度)×(時間)
よって(速度)=(距離)/(時間)
また(時間)=(距離)/(速度)
5 食塩水の問題
重量で考えた場合
(食塩水)=(水)+(食塩)
食塩水の濃度(%)=(食塩)/(食塩水全体)×100
6 利益の問題
(原価)+(利益)=(定価)
(原価)×(利益率)=(利益)
7 過不足の問題
数の少ないほうを文字でおく。
まぁ,以上のことは,実際に問題を解いてみれば,自然と身についてくると思います。
あと,複雑で難しい問題が解けるようになるには,努力による慣れが必要になってきます。
わからない問題は思考に十分時間をかけ,復習も欠かさず行うように。
それでは,がんばりましょう。